Mono Fontana

Mono Fontana / Cribas

ブエノスアイレス出身のアルゼンチン音響派を代表する孤高のピアニストMono Fontanaによる2006年作のアルバム「Cribas」もう10年前の音楽だけどずっと聴いてる愛聴盤です。

アルゼンチン音響派という言葉は、特定のジャンルを指しているわけではなく、アルゼンチンの先鋭的な音楽家たちによる、既存のロックやジャズ、クラシックにとらわれずに、電子楽器や民族楽器によるアプローチや、前衛的な音楽性などを取り入れた、メロディよりも音そのものの質感を重視してある、そういう音楽シーンを包括して生まれた言葉です。

ポストロックやシカゴ音響派みたいな曖昧なジャンルを、便宜上括るためにできた言葉で、アルゼンチンから生まれた個性的で芸術性の高い音楽を指してそう言われてます。

日本ではその存在はアンダーグラウンドなものだったけど、山塚アイや山本精一、ROVO、Buffalo Daughterなどのミュージシャン達と交流がある中で、彼らのフォロワーからその音楽性が注目を浴び、一躍話題となったみたいです。

ピアノを主体とした厳かで物静かな作風で、ジャケットが表すように幻想的で映画のようなアートを感じられる音楽。秒針を刻む時計の音や、カメラのシャッター音、蛇口から流れる水の音、遠くから聞こえる喧噪や、人々の足音、ささやき、子供の声など様々なフィールドレコーディングされた環境音をふんだんに織り交ぜ、どこか寂しげな雰囲気を漂わせながら、空気がピーンと張り詰めたような緊張感も相まって独特で不思議な世界を演出しています。

前作のCirueloと比べると音数も少ない一味違う趣の音楽で、ちょっと難解な現代音楽のように聴こえるかも知れないけど、究極にシンプルな美しさ、ピアノをはじめ、あらゆる音の響きを堪能できます。異国ながらもわびさびが感じられて、控えめなところがかっこいいです。

前作もとても良かったけど、それよりお気に入りのアルバムです。心を落ち着かせてくれる精神安定剤的な音楽。

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